スーパーのフジ(本社・広島市)が12日、出雲、米子両市の2店舗で、随意契約で仕入れた政府備蓄米の販売を開始する。その後も他のディスカウントストアやコンビニエンスストアが売り出す予定で、山陰両県でも備蓄米の流通が本格化する見通しだ。

 イオングループのフジは運営する「マックスバリュ川跡店」(出雲市稲岡町)、「ザ・ビッグ淀江店」(米子市淀江町中間)の2店で12日午前8時に販売を始める。商品は2022年産米で、5キロ入りを2138円(税込み)で並べる。販売数は両店ともに500袋で、1家族1袋に限定する。15分前から整理券を配布する。

 フジは同日、両県を含む10県の計20店舗で一斉に発売。フジ経営企画部の担当者は「少しでも多くの方にコメを届け、安定的に供給したい」と話した。

 ディスカウントストアを運営する大黒天物産(本社・岡山県倉敷市)は13日、両県にある「ラ・ムー」8店と「ディオ」4店の全店で22年産米を5キロ入り1980円(税込み)で発売する予定。コンビニ大手のローソン(本社・東京都)は14日、島根県内139店、鳥取県内135店のうちの一部で21年産米を2キロ入り756円(税込み)で売り出す計画。店舗数や販売数は未定だという。

 随意契約の政府備蓄米は5月末に都市部で販売が始まったが、両県の小売店の多くでは物流や精米作業などの理由で販売見通しが立っていなかった。

(黒崎真依、佐野翔一、井上雅子)