前線の停滞による大雨で13日から15日にかけて氾濫した江の川の水位は、16日までに徐々に低下した。島根県によると、流域の江津市と川本町で家屋3棟が床上浸水、9棟が床下浸水した。江津市が3地区に発令した警戒レベル最大の「緊急安全確保」は15日午後に解除した。

 床上浸水は、無堤地区が広がる江津市桜江町の川越地区で2棟、川本町因原地区で1棟。因原では、ホームセンターやドラッグストアなど事業所6棟が浸水被害に遭った。このほか県東部でも雲南市と奥出雲町の各1棟で、床下浸水の被害があった。

 江の川沿いの農地では、トマトやキュウリ、コメなどの作物が広範囲で水に漬かった。

 江津市は15日午後、川平、川越、松川の3地区628世帯1154人に出していたレベル5の緊急安全確保を解除。江津、益田、津和野、川本、美郷、奥出雲の6市町が発令したレベル4の避難指示も15日までに全て解除した。

 路面冠水や土砂崩れによる県道の全面通行止めは16日午後6時時点で、邑南高宮線(邑南町戸河内)や木次横田線(奥出雲町郡)、柿木津和野停車場線(津和野町中座-笹山)など9路線9カ所。川本町と美郷町を結ぶ川本波多線は規制解除された。 (取材班)