第27回参院選が3日、公示される。衆院で少数与党の中、与野党とも事実上の「政権選択選挙」と位置付け、物価高対策や「政治とカネ」問題、地方創生、農業政策が主な争点となる。4度目の合区となる鳥取・島根合区選挙区(改選数1)は、5人の新人が立候補を予定する。投開票日は20日。
【3日公示】鳥取・島根合区の動向は? 参院選関連ニュースまとめ
自民党の出川桃子氏は党島根県連が実施した公募に応じ、2月に投票で候補に決定。島根県議を辞職した3月末以降、活動を本格化し、地域支部や企業・団体へのあいさつ回りを重ねる。石破茂首相の地方創生に呼応し、結婚・子育て支援などを政策に掲げ、305団体から推薦を得て組織戦を展開する。6月下旬は島根県議らと建設会社を回るなど大票田の松江市で集中的に活動。28日に同市内で開いた会合で、250人を前に東京一極集中の是正や農業振興などを訴えた。
国民民主党の中山集(あつむ)氏は、立憲民主党、国民、連合の地元組織による候補一本化で選ばれ、6月2日に立候補を表明。街頭演説やつじ立ち、連合傘下の労働組合へのあいさつ回りで知名度向上を図る。28日は浜田市内で連合島根主催の研修会に出席し、支持固めを進めた。公示前は道の駅を回るなど中山間地域での活動に注力。31歳の若さを前面に打ち出し、投票率アップと結婚・子育て支援の充実や手取りを増やす政策を訴え、若年層や無党派層への支持拡大を目指す。
共産党の亀谷優子氏は昨年10月の衆院選島根2区に続いて2度目の国政選挙への挑戦。島根3万票以上、鳥取2万6千票の比例票獲得を掲げ、地方議員と街頭活動や集会を展開する。6月30日は島根県庁前で、県議らと消費税減税や中国電力島根原発(松江市鹿島町片句)の停止を訴えた。
参政党の倉井克幸氏は「走るつじ立ち」と称し、のぼりを担いで東西約350キロの合区選挙区内を回る。6月27日は石破首相の地元・鳥取市内で、比例代表の候補らと地方創生などを巡って自民批判を展開。消費税や外国人を優遇する政策の廃止などを訴え、保守層の切り崩しを狙う。
NHK党の谷口直矢氏は、NHKを視聴する人だけが受信料を払うスクランブル化の実現を主張。交流サイト(SNS)を軸に支持拡大を図る。
また、自民は合区選挙区に候補を立てない鳥取側で実質的な「県代表」を確保するため、比例代表で優先的に当選できる特定枠に、鳥取を地盤とする鳥取・島根合区選挙区現職の舞立昇治氏(49)=2期=を擁立する。
(曽田元気)
◆鳥取・島根合区選挙区(改選数1)立候補予定者(敬称略)
出川 桃子 47 元島根県議 自民新(公明(推))
亀谷 優子 39 元大田市議 共産新
中山 集 31 会社経営 国民新
倉井 克幸 42 党鳥取・島根県国政改革委員 参政新
谷口 直矢 47 会社員兼農家 諸派新