丸山達也知事はこれまでも新型コロナウイルスの感染対策を巡り、政府や東京都の対応を問題視する発言を繰り返してきた。

 昨年12月から対応が後手に回っていると指摘してきた知事がトーンを強めたのは首都圏で感染が再拡大した年明け。政府が緊急事態宣言の再発令の検討に入ると表明した1月4日、島根県の対策本部会議で県民に対して宣言対象地域となる首都圏1都3県との不要不急の往来を自粛するよう呼び掛けた。その後、記者団に「発令の検討をもっと早くできなかったのか。12月の対応を十分反省してほしい」と苦言を呈した。

 同28日の定例会見では、感染者が少ない島根県内でも多くの飲食店が大きな打撃を受けているにもかかわらず政府の支援が宣言対象地域に偏っていると指摘。「政府に放置されている」と声を荒らげた。

 2月10日の会見では感染者数の急増に伴い、東京都が保健所の疫学調査の規模を縮小していることを批判。「対応能力が低いところに全世界から人が集まるイベントを実施する資格はない。現状で五輪を開催すべきでない」と、東京五輪の開催延期に言及した。

 こうした発言に加え、政府や地元選出の国会議員に1月以降、計5回の要望を重ねてきたものの一向に改善が見られないと判断。感染拡大や県内経済の疲弊に歯止めがかからないとの懸念が募り、同17日に東京五輪の聖火リレーの中止検討を表明するに至った。