よく晴れた冬の朝だった。いつものようにトビの風翔(ふうか)を左腕に乗せ、飼育員の菊池晏那(34)は札幌市にある円山動物園の園内でトレーニングを始めた。猛禽(もうきん)類が自由に飛ぶ姿を来園者に間近で見せる「フリーフライト」のための訓練。元気に飛び立ったように見えたのに、しばらくしても戻ってくる気配がない。姿を見失ったサル山の方へ慌てて向かった。
目に飛び込んできたのは、何匹ものサルに取り囲まれ、羽をむしられている痛ましい姿だった。
急いでチームのリーダーに電話をし...
よく晴れた冬の朝だった。いつものようにトビの風翔(ふうか)を左腕に乗せ、飼育員の菊池晏那(34)は札幌市にある円山動物園の園内でトレーニングを始めた。猛禽(もうきん)類が自由に飛ぶ姿を来園者に間近で見せる「フリーフライト」のための訓練。元気に飛び立ったように見えたのに、しばらくしても戻ってくる気配がない。姿を見失ったサル山の方へ慌てて向かった。
目に飛び込んできたのは、何匹ものサルに取り囲まれ、羽をむしられている痛ましい姿だった。
急いでチームのリーダーに電話をし...