「永田コレクションの全貌公開〈二章〉北斎」で展示される「北斎漫画」(島根県立美術館蔵)
「永田コレクションの全貌公開〈二章〉北斎」で展示される「北斎漫画」(島根県立美術館蔵)

 江戸時代後期の浮世絵師、北斎が「葛飾北斎」「戴斗(たいと)」の画号で制作した時期の作品を紹介する「永田コレクションの全貌公開〈二章〉北斎-『葛飾北斎期』・『戴斗期』編」が10日、松江市袖師町の島根県立美術館で開幕する。版本だけで約500冊に上るなど、多彩で特色ある作品を鑑賞できる。11月3日まで。

 生涯に画号を30以上改めたとされる北斎。本展では、読本(長編小説)の挿絵に精力を傾けた46~51歳ごろに名乗った「葛飾北斎」期、絵手本の制作に傾注する51~60歳ごろの「戴斗」期にそれぞれ描いた錦絵、摺物(すりもの)、版本、肉筆画を一挙公開する。

 前期(10日~10月5日)と後期(10月8日~11月3日)に分け、一部展示替えする。会期中は島根大法文学部の田中則雄教授、すみだ北斎美術館の根岸美佳学芸員の記念講演会を予定。担当学芸員によるスライドトークや、伝統木版画を継承する「芸艸堂(うんそうどう)」の浮世絵摺り実演などもある。

 開館時間は、9月が午前10時~日没後30分。10、11月は午前10時~午後6時半。火曜休館。観覧料は前売り(コレクション展セット)が一般900円、大学生600円、小中高生無料(オンライン、ローソン各店で販売)。問い合わせは島根県立美術館、電話0852(55)4700。