謝罪する和田正利管理監(右)=松江市殿町、島根県庁
謝罪する和田正利管理監(右)=松江市殿町、島根県庁

 小学校の校外活動で児童らが収穫したコメを勝手に自宅へ持ち帰って食べたとして、島根県教育員会が11日、松江教育事務所管内の小学校に勤務する20代の男性教諭を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。男性教諭は同日付で辞職した。

 学校企画課によると、男性教諭は昨年度、当時勤務していた小学校で、地域住民の協力で校外の水田で稲作を行い、担任していた5年生の児童と共に収穫した玄米30キロを受け取った。

 調理実習で約2キロを消費したが、残りは家庭科室に放置。教頭からの「児童に持ち帰らせるように」との指導や、保護者からの「親子活動で学校に残っている米を使いたいので取っておいてほしい」との要望にいずれも対応せず、今年3月下旬に学校の精米機を使ってコメを精米し、約20キロを持ち帰った。

 男性が別の小学校へ異動した4月以降、精米機が片付けられていないことや、30キロ用の米袋が捨ててあることを別の教員が発見。保護者からの問い合わせも重なって発覚した。男性教諭は持ち帰ったコメの一部約2・4キロを学校に返却し、児童や保護者に謝罪した。県教委の聞き取りに「児童に配れなかったことをごまかそうとした。報告すると怒られると思い、言い出せなかった」と述べたという。

 同課の和田正利管理監は「教職員に対する県民の皆様の信頼を失追させたことは極めて遺憾。心よりお詫び申し上げる」と陳謝。警察へは告訴せず、再発防止に向け、県立学校長と市町村教委教育長に職務上の規律を守るよう文書で通知した。

(原暁)