大庭みな子の代表長編「啼(な)く鳥の」。その主人公百合枝は作家で、夫省三は長年勤めた会社を辞めてヒモ的存在。京都の比叡山近くに家を借りて住み始める冒頭部、百合枝の親戚の娘みずきが訪ねていくと、夫婦が2人用寝袋に裸で寝ているという強烈な場面がある。

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