8月のプレオープンに参加した外国人講師や親子連れたち=鳥取県江府町笠良原、鳥取英語村
8月のプレオープンに参加した外国人講師や親子連れたち=鳥取県江府町笠良原、鳥取英語村

 奥大山の鳥取県江府町御机・笠良原地区に、講師と寝食を共にして生きた英会話を学ぶ「鳥取英語村」が開設される。フィリピンで英会話学校を営んだ米子市出身の男性が人里離れて英会話漬けに適し、田舎暮らしも楽しめる環境に着目した。町有遊休施設を活用して拠点を整備し、14日にも最初の受講生を迎える。笠良原を「国内留学の地」に育てるつもりだ。
 男性はフィリピンで邦人向け英会話学校や飲食店を経営した大塚史隆さん(33)。笠良原にある町市民農園跡のロッジ4棟などを町から借りた。飲料水メーカーの採水地があるなど山間部の立地で「英語を話さざるを得ない環境。日本離れした奥大山の秘境感も気に入った」と笑う。
 受講生は希望に応じて1日から1カ月までの間、ホームステイのように滞在し、星空観察や周辺観光を楽しみながら、講師と思い思いに会話する中で英語に触れる。「語学はコミュニケーションの手段」との考えから教科書は使わない。
 2020年5月にフィリピンの地方都市にあった学校の経営権を取得した。新型コロナウイルス禍で現在は閉鎖したが、住民との交流から学ぶ仕掛けが好評だった。帰国後の職業など受講生が人生の選択肢を広げる姿も目にし、学ぶ意味をあらためて考えた。
 国内でのイベント試行と先進地視察を経て、親子連れと海外留学未経験者を客層に定めた。講師を務める県内在住のフィリピン人らは、英語を母国語としないため「上から目線で教えることがなく、間違いを恐れる心の壁を低くする。多国籍の出自は会話のきっかけになる」と強調。8月のプレオープンで手応えを得た。
 語学学校では学友同士が世代や性別、社会的地位を超えて修了後も交流を続けることが少なくないといい、事業開始の後押しにもなった。「今後は鳥取が修了生をつなぐ要になる。鳥取に関わる人の増加を地方創生にもつなげたい」と意気込む。
 受講料(宿泊、食事込み)は税別で1日コースが3万円、1週間が9万円、1カ月が25万円など。小学生以下無料。12月までは入学金1万5千円を無料にする。問い合わせ、詳細はインターネットサイト(https://sp|ea.asia/tev/)。
(田淵浩平)