秋の山野草と盆栽を観賞する来場者=出雲市多伎町口田儀、多伎文化伝習館
秋の山野草と盆栽を観賞する来場者=出雲市多伎町口田儀、多伎文化伝習館

 出雲市多伎町口田儀の多伎文化伝習館で25日、「秋の盆栽と山野草展」が開幕した。出雲、大田両市の愛好家が丹精込めて育てた92点を展示し、秋の彩りを添えている。26日まで。

 2022年から毎年開催しており、今回は4人が盆栽25点、5人が山野草67点を出品した。

 釣り鐘型で明るい黄色の花びらが特徴的なキイジョウロウホトトギスや、秋の七草の一つで薄紫色の花を咲かせるフジバカマ、割れた葉形が獅子頭を思わせるヒメシシヒトツバなどが並ぶ。

 中学生の頃から植物を育て続ける太田清さん(73)=出雲市湖陵町三部=は、草花の名前や由来の説明書きを用意し、「ホトトギスは、花びらの斑点を鳥のホトトギスの胸元に見立てたため」などと来場者の疑問に答えていた。「冬越えを控えた秋の植物には独特の持ち味がある。面白い名前も一緒に楽しんでほしい」と話した。

 同市神西沖町から訪れた糸賀エミ子さん(76)は盆栽をじっくりと眺め、「玄関にちょこっと飾りたいぐらいかわいらしい。気持ちが豊かになり、癒やされた」と話した。(今井菜月)