俳優の生駒里奈、声優の河西健吾が2日に都内で行われた特別編集版『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント -小さな挑戦者の軌跡-』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』10周年記念新作短編「幕間の楔」の公開記念舞台あいさつに登壇した。
【写真】それぞれのキャラを意識した装いで登場した河西健吾&生駒里奈
 2015年10月の放送開始から、今年で10周年を迎える『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』。10周年記念プロジェクトの1つとして発表された、特別編集版『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント -小さな挑戦者の軌跡-』が劇場で公開された。本作はスマートフォンアプリ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズG』で配信されていた全12話を再編集し、新規カットを加えた特別編集版。そして『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』10周年記念新作短編「幕間の楔」が同時上映されている。
 舞台あいさつは『ウルズハント』から主人公ウィスタリオ・アファム役の生駒、『鉄血のオルフェンズ』から三日月・オーガス役の河西、そして司会に天津飯太郎を迎えてトークはスタートした。天津の呼び込みで『ウルズハント』オープニングテーマのRe:End「The Over」をBGMに、河西、生駒が登壇。天津はまず登壇した2人の衣装に注目。河西は今回のファッションについて、鉄華団を彷彿とさせるカーキや「インナーのベストがオルガのよう」と、衣装をセレクトした理由を説明。同じくカーキをメインにしつつイエローを組み合わせた生駒は「ウィスタリオくんのカラーが黄色やブルーのイメージなのと、ビジュアル的にも中性的なところがあるので」とスタイリングについて解説。作品愛が衣装からも感じられた。
 トーク本編に入り、天津から、鉄血10周年記念プロジェクトと本作について改めて心境を問われた。生駒は「すさまじい作品に関わらせていただいているんだなと思います。SNSで皆さんの感想をリサーチするのが趣味なのですが、この作品を通してはじめて私のことを認識してくださる方もいらっしゃって、自分を知っていただく機会が増えたことはすごくうれしいですね」と反響の大きさを口にする。河西は「“面白かった”とか“これを待っていたんだ”とか、いろんな反響をいただきました。この10年、声優を続けてきた甲斐があったなというのが率直な気持ちです」と感慨深そうに話した。
 続いて出演作品とその魅力について天津が質問。生駒は『ウルズハント』について、「ゲーム(スマートフォンアプリ『鉄血のオルフェンズG』)の中に収録されていたものを今回、特別編集版として上映しているのですが、(新規パートの)新録という形で再び向き合う経験をさせていただいて。改めて台本を読んだとき、“こんな瞬間に、彼はこんな覚悟を持って挑んでいたのか”と、ウィスタリオくんの気持ちを読み取ることができましたし、そこには自分が2~3年、仕事と向き合ってきて、成長したところもあるのかなと不思議な体験でしたね。『鉄血のオルフェンズ』はもう10周年ということで、ひとつのキャラクターを演じ続けることってすごいんだなと思いました」と特別編集版を経て声優という仕事へのやり甲斐を語った。河西は「幕間の楔」について、「『鉄血のオルフェンズ』全50話の中の一時を、このような形で公開できたことで、“またあの世界に帰って来ることができたんだな”と感じてうれしかったです。10年経つと、体調や声の変化もあるのですが、アフレコでみんなと横並びに収録したときに、ちゃんと世界が今ここ(収録現場)に広がっているなと、すごくうれしかったのを覚えていますね」と、アフレコ現場の様子についても語った。
 互いのキャラクターの印象を聞かれた生駒は「ウィスタリオくんも鉄華団に憧れていますが、私自身も憧れている人物像が三日月。アニメのキャラとしての魅力もありますが、生き方が本当にかっこよくて、私も誰かを守りながら生きていきたいなと思いました」と三日月への思いを語った。河西もアプリゲームのときから『ウルズハント』を体験していたとのことで、ウィスタリオに対して「僕にはないものが彼にはある」と一言。さらに「三日月は自分が道を切り開いていくタイプですが、ウィスタリオは先頭に立ちながらも、自分に足りない部分はちゃんと仲間を頼っている。自分でなんとかしようだけじゃなくて、ウィスタリオのようにもっと周りを頼ろうと思いました」とウィスタリオの振る舞いにコメント。生駒も頷き「昔は他人を頼れなかったけれど、最近は困ったときや自分が欠けている部分は友達に補ってもらおうと思えているので、そこはウィスタリオに影響を受けているのかな」と影響を改めて実感していた。
 ここから企画コーナーがスタート。「一言で語ろう!鉄血×ウルズハント主人公トーク!」と題し、テーマに沿った簡潔な回答をフリップに書くという内容。今回のテーマは、「あなたを取り巻く仲間を一言で表すと?」。生駒、河西が出した回答はどちらも「家族」。観客から驚きの声と拍手が上がった。生駒は「ウィスタリオにとっては、爺(デムナー・キタコ・ジュニア)だけでなく他人であっても、仲間は『家族』なんです。私自身、アフレコでも、“こんなに助けていただけるものなんだ?”と声で引っ張ってくださった共演者のみなさんに感謝しています」とウィスタリオとしても、声優としても「家族」に感謝を伝えた。河西は「(TVシリーズの)アフレコ当時から緊張していたけれど、隣にオルガ(・イツカ)役の細谷(佳正)さんがいて、周りの鉄華団、ギャラルホルンのメンバーも同じ方向を向いて臨んでいました。アフレコが終わればみんなでごはんを食べに行って、その日の収録の話や今後の予想などを話していましたね。放送が終了したあとも、あの頃のメンバーに会うと『鉄血のオルフェンズ』の雰囲気になります。10年の年月を感じさせない仲の良さを感じていて、今後も家族のような付き合い方をしていくんじゃないかなと思い、この言葉にしました」と10年の日々を振り返りながら「家族」と書いた理由を語った。
 イベントは終盤、インフォメーションコーナーへ。入場特典や主題歌情報などに続き、トーク付き上映会の第2弾、第3弾の開催も告知された。第2弾では『鉄血のオルフェンズ』シリーズのスタッフ陣が、第3弾では長井龍雪監督、河西、細谷の参加が決定。第3弾への期待を問われた河西は「語り尽くせないものがあると思いますが、いろいろと長井監督に深堀りしていけたら」と意気込んだ。生駒も「我々オタクからしたら、こういうイベントをどんどんやってもらいたいと思いますよね!」と前のめり。さらに、2026年2月15日に立川ステージガーデンで開催される鉄血10周年のフィナーレイベント「鉄華の祝祭」の情報や、10周年を記念して復活したラジオ番組「鉄華団放送局10th Anniversary」についても告知が行われた。
 イベント終盤では、本作の公開を記念して、スタッフ一同からの花束が。4週間限定上映となる本作について、今後の意気込みなどを問われると生駒は「こんなに素晴らしい作品に携われてうれしいです。期間限定での上映となりますが『鉄血のオルフェンズ』の良さを感じていただけたらと思います」とあいさつ。河西は「10年走り続けてきて、映画になることがかないました。これから20周年、30周年といった節目にも願いがかなうんじゃないかと。次は長編もやりたいですし『ウルズハント』の続きもぜひ観たいと思ってます。もうしばらく、もっともっと我々と一緒に走り続けてほしい」と満員の観客に呼びかけていた。
 最後のあいさつで生駒は「『鉄血のオルフェンズ』のこれからに自分も携わることがあれば、ここがスタートになります。さらに自分を磨きつつ、ウィスタリオと再会できた時には、より納得できるお芝居にしたいと、覚悟を決めた舞台あいさつになりました。今回の作品も、『鉄血のオルフェンズ』ファンには楽しんでいただけるものとなっていますので、心ゆくまで楽しんでください。本日はご来場いただき、誠にありがとうございました!」とし、河西は「本日はお越しいただきありがとうございます。本当に素晴らしいものができあがったという気持ちでいっぱいなので、心ゆくまで上映を楽しんでいただきたい気持ちでいっぱいです。観終わった後はぜひ、SNSで“良かったよ”とか、友達に布教活動をしていただければ幸いです。その活動があればまたみなさんにお会いできることもあると思いますので、引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします!」とメッセージを送っていた。
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