水木しげるさんの世界を伝える水木しげる記念館。境港市は建て替える記念館を拠点に観光振興を図る=同市本町
水木しげるさんの世界を伝える水木しげる記念館。境港市は建て替える記念館を拠点に観光振興を図る=同市本町

 境港市は、市出身の漫画家・故水木しげるさんの作品を展示する水木しげる記念館(境港市本町)を生かした観光振興に注力する。文化庁から記念館を中核とした拠点計画の認定を受け、2021~25年度に取り組む。展示物の他言語表記などで記念館を充実させるとともに、妖怪文化を伝える冊子の作成、伝承講座の開催で、妖怪の魅力を発信し誘客を図る。
 市が所有、運営する記念館は03年に開館した水木しげるロードの中核施設だ。市は老朽化に伴い23年度の着工を目指し現地建て替えする考え。整備に合わせ「魚と妖怪の町」の魅力を増しPRを図ろうと、文化庁に文化観光拠点施設の機能を強化する計画を申請。5月に認定された。
 具体的には、記念館で展示物を他言語表記するほか、キャッシュレス決済システムや時間制予約システムを導入して国内外の来館者の利便性を向上。さらに、市所有の水木作品のデータベースを構築し、ガイド機能も高める。水木さんゆかりの地を巡るツアー造成、夜のロードに浮かぶ「動く妖怪影絵」の増設も盛り込む。国から五年間で1億4千万円の補助を受け、取り組む予定だ。
 初年度は妖怪文化を伝える冊子を作り、市内小学校で出前授業を実施。冊子を活用した妖怪文化伝承講座も開く予定にしている。
 水木ロードの入り込み客、記念館の入館者とも20年は前年の3分の1ほどにとどまり、港町の観光は新型コロナウイルス禍で厳しい状態が続く。市観光振興課の坂田卓宏課長は「関係機関と連携して計画に取り組み、水木さんの歩みと妖怪の世界を伝えたい」と話し、コロナ収束後の国内外からの誘客を見据え取り組みに力を注ぐ考えだ。
 (園慎太郎)