民俗学的な知見を生かし、古代から連綿とつながる「人間」の魅力を描いてきた唯一無二の漫画家、近藤ようこさん。最新作は、梨木香歩さんの小説「家守綺譚(いえもりきたん)」の漫画化だ。日本が近代化していく明治時代を舞台に、日常に流れ込んでくるちょっと不思議な“前近代”を描く物語。「この小説の魅力を、そのまま漫画にしたい」と取り組んだその成果は―。(取材・文 共同通信=川村敦)

 

【こんどう・ようこ】1957年新潟市生まれ。国学院大在学中に「ものろおぐ」が「月刊漫画ガロ」に掲載され、デビュー。「見晴らしガ丘にて」で日本漫画家協会賞優秀賞、津原泰水さん原作「五色の舟」で文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞。現代を舞台にした「兄帰る」「アカシアの道」などの他、古代から中世を舞台にした「水鏡綺譚(すいきょうきたん)」「説経 小栗判官」などでも知られる。小説のコミカライズでは他に、民俗学を取り入れた折口信夫の幻想小説「死者の書」、坂口安吾の「桜の森の満開の下」、夏目漱石「夢十夜」などを手がけている。

 

(1)前近代と近代のはざまで

●記者 今作も、近藤先生にしか描けない漫画でした。梨木香歩さんの小説が原作...