羽田空港で購入した「いちご餅」のラベル。製造所の欄に寿製菓の名前と住所があった
羽田空港で購入した「いちご餅」のラベル。製造所の欄に寿製菓の名前と住所があった

 旅先でその土地の名産だと思って買った土産物が、実はそうではなかったという失敗談は意外に多い。先日、東京からの帰りに羽田空港で土産を物色していると、見慣れぬ「いちご餅」を見つけた。「季節限定販売」「残り19個」という案内に誘われ、迷わず手に取った。

 菓子箱にある老舗和菓子店「築地ちとせ」のブランド名しか見ていなかったが、帰宅して裏側の表示を読むと、製造所の欄に寿製菓(米子市)の文字。「わざわざ東京で山陰産の商品を買って帰ったのか」。店でよくよく吟味しなかったことを少し後悔した。

 とはいえ、実際に口にすると「失敗」ではなかった。甘酸っぱいイチゴソースを、生クリームを加えたイチゴ餡(あん)で包んだ餅は家族にも好評で、むしろ「大成功」。“山陰発”の商品が羽田空港を経由し、全国に広がる光景を想像してうれしくなった。

 同様のケースも意外に多い。綿糸メーカーのKBツヅキ(名古屋市)が、出雲市にある出雲工場で製造する糸もその一つだ。綿花から繊維を引き伸ばす過程で、多湿の部屋で水分を含ませる世界唯一の製造方法を採用。柔らかさと耐久性を兼ね備え、本場の今治タオルの6割で使われるなど評価は高いそうだ。

 「灯台下暗し」というが、身近過ぎて地元産の商品や製品の良さに気付かないことが多い。実際に食べたり使ったりすれば、自慢できる“山陰発”の逸品の多さが分かるはずだ。(健)