今年も瞬く間に桜が散ってしまった。勤務先の東京は3月19日に開花し、9日後に満開に。雨や風と重なって例年以上に見頃の時期が短く感じ、花見を楽しむ機会が少なかった。
さらに異変を感じたのが、桜のボリュームが減っていることだ。生まれ育った松江市玉湯町の玉湯川沿いや15年ほど前に勤務した雲南市木次町の斐伊川堤防のソメイヨシノに親しんできたためだろうか。東京を歩いていても樹勢の低下が気になった。
この現象は近年の気候変動が関係しているようだ。桜の名所づくりに取り組む「日本花の会」によると、暖冬傾向が続くことで花芽が開花する準備ができず、生育環境に悪影響が出ているという。品種によって夏の猛暑による水分不足も関わるそうだ。
東京では今年に入り、倒木の被害も相次いでいる。戦後の高度成長期に多く植えられたソメイヨシノは高齢化に加え、サクラ類てんぐ巣病にかかりやすく、病気になった枝を放置せず、早めに切除するなど手入れの重要性は増す。
かつて雲南市で桜を手入れする専門職「桜守」の男性を取材したことがある。「桜は手を加えると必ず応え、きれいに咲いてくれる。地域の桜は地域で守ってほしい」と語り、年間を通じた病害虫の駆除や厳寒期の施肥作業など地道な仕事を繰り返していた。気候変動で苦労は増しているだろう。手入れに感謝し、来春は満開の桜を楽しめることを願う。(吏)














