自宅の玄関横に座り、一服しながら足元の砂利を見ると、ダンゴムシが動いていた。ほおに当たる風は暖かい。春の訪れを感じる。
桜が咲き誇った今月1日に新聞社の入社式に参加した。「石見神楽の記事を書きたい」「子どものためになる仕事がしたい」。よどみなく語る新入社員に驚いた。30年前、同じ場所で自分が何を話したのか覚えていない。目標は社会でいろいろな人に会う中で見つかった気がする。経験から言えるのは焦らなくてもいいということ。若い頃に壁にぶつかって悩み、迷った日々は将来の肥やしになる。
壁は自らつくることもある。真面目な人、優しい人ほど壁をつくって、突然心が折れるという内容の記事を読んだ。必要なのは「助けてもらう力」。特別な才能ではない。あいさつする。「ありがとう」を言葉にする。「でも」より「やってみます」と言う。相談相手に結果を伝える。積み重ねが人との距離を少しずつ変える。
個人的に決めていることがある。うそはつかない、間違ったことをした時は謝る。幼少期に親や先生から口酸っぱく言われた。当たり前と言われるかもしれないが、実践するのは難しい。できない大人を見てきた。
うららかな春の日差しと裏腹に生活環境の変化で心身のバランスを崩しやすい季節。ダンゴムシのように丸まりたい時もある。焦らず、ゆっくりと。人に助けてもらう。その力を身に付けたい。(添)














