第1章 さわがしい男(21)

 

 私は桑原スカウトと一緒に店を出た。夜風が頬を撫でた。プロ野球がオフシーズンに入る頃の秋風である。

「親父さんが弟子を取りたがらないのは、やっぱりあ...