【短歌】宮里 勝子選

精製水管をつけたる妻がいて朝餉を告げて安否たしかむ      出 雲 朝日山 巍

 【評】医療用の精製水の管を常につなげて病にふす奥さまを見守る様子は、緊張感が漂う。何げなくかける朝のあいさつに生死をうかがうほどの重みがあり、また安堵(あんど)するのである。重い内容ながら暗さのない作品に仕上がっている。

僕がもし居なくなったら寂しいかい猫に聞くけど猫にも聞かれる  雲 南 伊藤  悟

 【評】遠慮なく言い合える相手とのやりとりを想像しながら読み進むと、猫に話し掛けていることが分かりクスッと笑える。この一首の深みは、猫に...