【雲南】国の重要有形民俗文化財の菅谷たたら山内(雲南市吉田町吉田)について最新の研究成果を報告する講演会がこのほど、雲南市三刀屋町であった。研究者4人が、江戸時代に松江藩の鉄師を務め、たたらを操業した田部家の鉄の流通などを紹介した。
松江高専人文科学科の鳥谷智文教授は「明治中後期における田部家『大坂出店』で把握された鉄鋼商人・職人」と題して講演した。明治になり、松江藩の保護策がなくなり、田部家は自ら流通網を開拓、維持してきたとした。
1878年に田部家は大阪市の「大坂出店」に拠点を構え、地域や商人の特徴を把握していたという。鳥谷教授は「田部家は海軍需要を主体として経営を維持しようと、大坂を中心として全国の民間需要を模索していたと推察される」と報告した。
講演会は公益財団法人・鉄の歴史村地域振興事業団が主催した。同財団が市教委の補助金を活用し調査を進める「菅谷たたら山内の総合文化調査」で2024年度に刊行した最新の調査報告書に基づいた報告会で、約40人が聴講した。
同財団の景山明代表理事は「回を重ねるごとに研究内容に深まりが出ている。多くの人に聴講してもらいうれしい」と話した。
(景山達登)













