江戸時代、松江藩の鉄師を務めた田部家のたたら吹きが24日、雲南市吉田町吉田の市和鋼生産たたら体験交流施設で始まった。砂鉄と木炭を交互に炉に入れて燃やし、鉄を造る。
田部家は吉田町を拠点に大正末期までたたら製鉄を営んだ。地域振興を目的に2018年5月、約100年ぶりにたたら吹きを復活させ、春と秋に実施し、今回で14回目。
炉に火入れし、一昼夜操業する。たなべたたらの里(雲南市吉田町吉田)など田部グループの社員約20人と一般参加者18人が交代で木炭と砂鉄を投入する。25日午後、砂鉄が溶けてできた鉄塊「鉧(けら)」を取り出す。
操業では600~800キロの木炭と約600キロの砂鉄を使い、約150キロの鉧ができるという。
大阪府豊中市から見学に訪れた古川広行さん(78)は「すごい労力。鉄が貴重なものだったことが分かる」と話した。
25日は午前9時から午後3時まで、砂鉄投げ入れ体験(体験料500円)やミニしめ縄づくり(同)、飲食などが楽しめる「おもてなしイベント」も開催する。
(福間崇広)













