2000年に亡くなった市民科学者の高木仁三郎さんは、放射性元素を研究する核化学者でありながら原発に反対した。「科学が市民ではなく、国家のために利用されている」。こうした危機感から、原発のような国策と戦争に共通する思想を批判した。東京電力福島第1原発事故から間もなく15年。政府は世界最悪レベルの原発事故を経験したものの、原発の最大限活用を掲げている。高木さんの遺志を受け継ぐ新しい世代は、原発を批判的に見るための情報不足を危ぶむ。志半ばで亡くなった高木さん。もしこの状況を見たら何を思うだろうか。(共同通信=原子力取材班)
▽卑屈な教師
高木さんは1938年、前橋市に生まれた。まもなく日本は太平洋戦争を始めた。物心がつく...












