新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限緩和を巡り、政府の対策分科会の尾身茂会長は15日の衆院厚生労働委員会で「ワクチン接種率が上がったからと言って、急に緩めると必ずリバウンドが来る」と懸念を示し、緊急事態宣言解除後に実施すべきだと指摘した。田村憲久厚労相は今後の流行「第6波」を見据えた医療提供体制拡充の必要性を強調した。

 

 尾身氏はワクチン接種が進んでも、新型コロナとの闘いは長期化するとして「ワクチンと薬があるインフルエンザのように、社会の不安感が無くなるには2、3年はかかるのではないか」と分析した。

 政府は希望者のワクチン接種が完了する11月ごろをめどに行動制限を緩和し、緊急事態宣言下でも都道府県をまたぐ旅行や大規模イベント開催、飲食店の酒類提供を認める方針。これに対し、尾身氏は「緊急事態宣言解除後に、感染がある程度落ち着いた後に徐々にやっていくのが取る道かと思う」と述べた。

 田村氏は現在の感染状況を「全国的にかなりのスピードで新規感染者数が減ってきているのは事実」と指摘。その上で、学校の新学期が始まった9月以降に人の動きが変わり、冬場に向けては換気をしづらくなったり、忘年会や新年会などで普段会わない人との交流が増えたりするため、第6波を念頭に置いた対策が必要だとした。

 病床数の上積みには限界があるため、厚労省は中長期的な備えとして、臨時医療施設の整備や医療人材の確保を促す通知を都道府県などに今月14日付で出している。

 この日の委員会は閉会中審査として実施した。