【西ノ島】島根県西ノ島町美田の伝承館で16日、地元の美田八幡宮に伝わる国重要無形民俗文化財の田楽舞「十方拝礼(しゅうはいら)」を体験する授業があり、西ノ島小中学校の小学3年生が、中世の形態を色濃く残すとされる優雅な田楽芸能の世界に触れた。
総合学習で西ノ島の伝統文化を学ぶ児童16人が、継承活動の拠点になっている伝承館を訪れ、演目の一つ「子ザサラ」について学習。朱色が映える伝統の四角いかさや衣装を見学しながら、保持者会(高橋英康代表)のメンバーが「いんやーはっさー」の掛け声に乗って披露する舞を鑑賞した。
児童たちは保持者会が奏でる鼕(どう)のリズムに合わせて踊りに挑戦し、板の間を縦横に跳ねる珍しい所作を楽しんだ。メンバーに「いつから伝わるのか」「どのぐらい練習しているのか」と質問し、島に伝わる古典芸能に理解を深めた。
十方拝礼は、1590年以前に始まったとされる五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する田楽芸能で、西暦の奇数年に美田八幡宮で奉納されている。(森山郷雄)