リスクがあるなら避ける努力をするのは当然のことだ。あえて危険を冒す必要はない。そんな何の疑問も持たなかったリスク管理の考えに一石を投じられたのは、疫学者・三砂ちづるさん(67)の水俣病に関する2年前の講演だった。

 水俣病は、熊本県水俣市で豊饒(ほうじょう)の海と生きていた人々が、化学工場が海へ垂れ流したメチル水銀で汚染された魚介を食べて発症。今年...