―今年、創業60年を迎えます。防災用非常食で知られる社の原点はどこにありますか。
学校給食へのご飯の供給です。パン給食が中心だった当時は炊飯設備が十分でない地域も多く、大量に米を炊くと熱が均一に入らず炊きムラが発生しました。一度炊いた米を急速乾燥させるアルファ化米は戻りがよく、失敗なく炊ける現場を支える技術でした。防災用非常食へのシフトを進めた契機は、1995年の阪神大震災と2011年の東日本大震災でした。
―多様化するニーズを背景に、主力の非常用アルファ化米「安心米」シリーズは20種類に増えました。
「備え」の重要性を社会全体が実感し、防災食も単なる保存食からより実用的な存在へと進化しました。平時に食べて回す「ローリング・ストック」が広がり、味や食べやすさがより重視されるようになりました。パエリアやチーズリゾットといったアレンジレシピをホームページで公開しています。水や火が確保できない状況でも開けてすぐ食べられるレトルトタイプの引き合いも増えています。
―米価高騰という逆風に、生産性向上をもって立ち向かっています。
主原料である米の仕入れ値はほぼ倍増し、現在も大きな影響を受けています。しかし、そのまま価格転嫁するのではなく、生産性の向上を図っています。その一環として24年にITソリューション部を立ち上げ、社内のIT活用や業務効率化を強化しており、1人当たりの生産高は向上の途上にあります。
―25年12月にはブランド推進室を立ち上げました。御社の描く未来像を教えてください。
目指しているのは、数字そのものよりも、ブランドイメージが社会に浸透した企業になることです。アルファ化米、お赤飯といえば当社、と自然に思い浮かべていただける状態を全国でつくりたいです。それは売り上げだけでなく、採用増や社員の誇りの醸成につながります。社員の気持ちを高揚させるようなブランディングが最大の目標です。

いつもギラギラとして情熱的であってほしい。
諦めないでほしい、いつだって君の選択が正しい。

林 隆史=出雲市出身(57歳) 2021年1月に現職に就任
休日は、身体の劣化を防ぐためにランニングとウエイトトレーニングをしています。 どちらとも自分に優しく、緩~いモードでやっています。













