―日本経済新聞社「日経グローカル」が実施した「大学の地域貢献度に関する全国調査2025」で全国総合3位(国立大1位)を獲得しました。
地域課題の解決を目指す人材の育成、輩出に力を入れています。例えば総合型選抜「へるん入試」の入学生は、益田市教育委員会から依頼を受け、学生が子どもに算数や数学を教えるなど、企業や団体と連携して学びを深めます。卒業後の県内定着に向けては、約200の企業・団体が参加する「しまね産学官人材育成コンソーシアム」の事業に力を入れています。研究面では、ものづくりを中心に県内産業と連携し、付加価値を生み出せる研究開発型の企業になれるよう協力していきます。

 

―エネルギー・材料、汽水域、循環型農業、古代出雲などの分野で、人材交流の拡大や研究力向上に力を入れています。
インド工科大ハイデラバード校と人材交流拠点を開設しました。急激に成長しているインドとの連携は、安定志向の日本の若者にとって国際化と起業家精神の育成へ向けた刺激になります。最先端機器も導入しました。2026年2月に設置した金属3Dプリンターは、多元素を混合しながら効率よく部品を試作できます。世界で2台しかない磁場フリー電子顕微鏡「MARS」も導入済みで、原子レベルでの高度な解析も可能になっています。試作から分析・評価までのもの創りサイクルを県内企業の研究開発にも役立てて頂ければと考えています。

―助産師不足解決に向け、島根県立大学との連携を強化しています。
人が「産まれる」ということなしに人口減少は解決しませんが、島根をはじめとした地方では、産婦人科医や助産師が不足しています。医療分野での県立大と本学の連携は必須です。講義を共同で開講し、今後、実習も一緒にしていく方向で考えています。両大学の強みを生かしながら教育の効率を高めるとともに、学生同士が切磋琢磨できる環境を整えます。


人間の営みが地球に影響を与え(人新世)、限界を超えつつある現在、科学界、政治・経済界にも正解はなく、SDGsなど世界が協力して道を探して実践するしかありません。 古い世代も全力を尽くしますが、若い世代の皆さんが主体となって考え、世界や地域の人々と触れて、一緒に真に持続可能な未来を切り開いていってください。

鳥取県八頭町出身(69歳)2024年4月に現職に就任。
京都大学医学部を卒業後、1995年に島根医科大学教授、2009年に島根大学医学教育担当副学長、11年に同大学医学部長、22年に同大学理事・副学長を歴任。趣味は音楽鑑賞(バッハなどクラシックから、ジャズ、ロック、ポップスなど広く)や絵画・美術鑑賞(セザンヌなど西洋美術 から、琳派、慶派など含む日本美術など広く)と読書。