15年を迎えた鳥取県立図書館の闘病記文庫コーナー=鳥取市尚徳町
15年を迎えた鳥取県立図書館の闘病記文庫コーナー=鳥取市尚徳町

 鳥取県立図書館(鳥取市尚徳町)の一角に設けられた闘病記文庫コーナーが、今年で開設15周年を迎えた。患者本人やその家族が当時の心境や生活の中で抱いた不安を書いた手記など、約1千冊が並ぶ。同じように病と闘う患者や家族の心に寄り添い、支えになっている。

 県民の健康づくりに役立ててもらおうと、2006年7月に開設。当時、闘病記や医療を扱う書籍は少なく、全国的に珍しかった。

 書籍はがん、認知症、介護など大きく六つのテーマに分かれ、病気の種類やがんなどの部位、患者や家族が置かれている状況など、250種類に細かく分類されている。コーナーに並ぶのは新しいものから約1千冊だが、書庫を含めると2千冊以上が借りられる。20年度は年間約1400冊が貸し出された。

 コーナー開設15周年を記念して、闘病記が心の支えになった体験談を募集。父ががんを患った県内在住の女性が、コーナーの本を読んだことで不安が和らぎ、父にも本を勧め、悲観的にならずに生活できた体験を寄せた。このエピソードは漫画になり、図書館のPRチラシに掲載した。

 コーナーの本は申し込めば、県内各地の図書館でも原則2日以内に受け取ることができる。県立図書館の担当者は「当事者でないと分からない事はある。不安な方は手に取ってもらいたい」と話している。
      (藤井俊行)