3月25日午前、炎鵬(31)=本名中村友哉、石川県出身、伊勢ケ浜部屋=はスマートフォンを握りしめ、朝からずっと日本相撲協会のX(旧ツイッター)を見ていた。
「いつかな、いつかな、どうかな…」
十両昇進力士が表示される画面を指で何度もタップ、スクロール。この日は午前8時から夏場所番付編成会議が開かれており、力士全員の次場所の地位が決まる。
午前10時前、再十両力士3人の一番下に「炎鵬」の2文字がはっきりと浮かんだ。自然と涙があふれ出た…。
首の大けがで、一時は日常生活さえも困難だった炎鵬が3年ぶりに十両に復帰。幕内から序ノ口に転落した後に返り咲いたのは史上初だ。
終わったはずの力士生命を決して諦めず、絶望と希望の間に揺れる徳俵で踏ん張った。167センチ、106キロの小兵は大相撲史に残る奇跡を成し遂げた。(共同通信=田井弘幸)
▽順風満帆、一躍人気も首の衝撃で暗...













