岸田文雄新総裁の船出について、全員が同氏を推した島根県の自民党国会議員は挙党態勢の構築を、党員票で1位だった河野太郎氏に全員が投票した鳥取県選出議員は、迫る衆院選へ向け、「民意」をくみ取った党改革を前に進めるよう注文を付けた。

 岸田氏支持が多かった旧竹下派所属の青木一彦参院議員(鳥取・島根合区選挙区)は、全員野球で一丸となると宣言した新総裁の決意を受け「その体制を整えられるよう協力する」と述べた。

 岸田氏は安倍政権で政調会長を務め、各分野で政策が打ち出せる安定感に期待する声も少なくない。三浦靖参院議員(比例)は、岸田氏が総裁選でリモート医療やスマート農林水産業の促進を挙げたことから「地方に寄り添った政策を打ち出してもらえる」と地方創生の加速を望んだ。

 ただ、重要なのは菅義偉首相が退く一因になったコロナ対策の成否。最大派閥・細田派会長の細田博之衆院議員(島根1区)は「最後までやりきらないといけない」と強調した。

 河野氏を前面で支援した石破茂元幹事長と同様、1票を投じた舞立昇治参院議員(鳥取・島根合区選挙区)は「党を変えたいという(河野氏の)思いが、岸田総裁の下で少しでも反映していくよう尽力する」と話した。

 同じく河野氏を支持した赤沢亮正衆院議員(鳥取2区)は、鳥取県内の地方票得票率が全国1位の82%に上ったことを踏まえ「岸田氏は党員と議員の乖離(かいり)がある中で誕生した総裁。党員の意向を配慮することが求められる。選挙でお世話になるのは党員だ」と岸田氏を選挙の「顔」として戦う衆院選を見据えた。 (白築昂)