4日午後9時5分ごろ、浜田市瀬戸見町の専称寺付近で、寺の住職守山順雄さん(59)がクマ2頭に出くわした。クマは山へ逃げ、けが人はいなかった。島根県や市、浜田署が現場周辺を巡回して注意を呼び掛ける。
現場は国道9号沿いの住宅地。市農林振興課によると、クマ1頭は体長約1・5メートルで、もう1頭は不明。寺付近の山は南側に大きく広がっており、山間部にすむクマが餌を求め、迷い込んだ可能性が高いという。
守山さんは寺近くの住居におり、外からドアや窓ガラスをたたく音を聞いた。懐中電灯で外を照らすと、クマ2頭を発見。警察に通報している間に逃げたという。「最初はよくいるキツネやタヌキかと思ったけど、まさかクマだったとは」と振り返った。
近くに住む無職甲斐新太さん(67)は「50年以上住んでいるが、この辺りでクマの出没は初めて聞いた。益田市でクマによる、けが人が出たばかりなので怖い」と不安を募らせた。
浜田市内のクマの目撃件数は4~9月の半年間で129件。2020年同期の200件や19年同期の144件に比べて少ない。農林振興課の石原孝光課長は「今は冬眠前でクマが活発に動く時期。クマ鈴を身に着けるなどして、出没しやすい朝夕の時間帯には気をつけてほしい」と話した。 (宮廻裕樹)