島根県庁
島根県庁

 新型コロナウイルスのワクチン接種後に感染する「ブレークスルー感染」の割合が、島根県内で高まりつつある。月別感染者のうち、感染確認から2週間以上前に2回目を接種した人の割合は、8月(629人)の4・1%に対し、9月(251人)は8・7%だった。一方、中等症以上となったのはわずかで、県は重症化予防について高い効果が示されているとして、ワクチンの早期接種を呼び掛ける。

 県のまとめによると、7~9月の感染者(1065人)のうち、ブレークスルー感染に当たる2週間以上前に2回目を接種した人は50人(4・7%)。このうち28人は60歳以上だった。未接種は929人(87・2%)、1回接種は71人(6・7%)、2回目接種から2週間経過していない人は15人(1・4%)だった。

 県はブレークスルー感染の割合が徐々に高まる理由として、接種から時間が経過したことで中和抗体が減少した点を挙げる。高齢者ほど抗体減少しやすいという。

 症状を追跡できた感染者のうち中等症や重症の割合は、未接種だった人が33・5%(258人)、1回接種と、2回目接種から2週間経過していない人が36・0%(31人)だった一方、2週間以上前に2回目を接種した人は14・0%(7人)だった。

 県感染症対策室の田原研司室長は「2回接種後も十分な感染症対策を講じる必要がある」と話した。

 内閣府によると県内では4日時点で42万1678人が2回目の接種を終えた。
     (佐々木一全)