講演する池上彰さん=松江市学園南1丁目、くにびきメッセ
講演する池上彰さん=松江市学園南1丁目、くにびきメッセ

 山陰の輝く女性を応援する「山陰中央新報女性クラブYUI」の第2回会員限定トークイベントが9日、松江市学園南1丁目のくにびきメッセであった。ジャーナリストの池上彰さんが、新型コロナウイルスといった感染症の流行による社会の変化についてトークを繰り広げ、約480人が聴き入った。

 池上さんは「病気で歴史は大きく変わってきた」として、14世紀のヨーロッパで拡大したペストを紹介。ペスト流行で「いつ死ぬか分からないのであれば、人生を楽しもうじゃないか」という風潮が広がり、宗教の厳格な権威がゆらいで開放的な文化が花開いたと紹介。

 現在の新型コロナ禍も「歴史の分岐点」と位置付ける。遊びや移動ができなくなり生じた時間をどう使うかが重要とし「新たな生き方や働き方を見つけてほしい」と強調した。

 元NHK記者の池上さんは、初任地が松江放送局で島根との関わりが深い。地元の人の出雲弁が分からず猛勉強したエピソードなども披露した。

 「女性クラブYUI」は山陰中央新報社が立ち上げた女性向け会員組織。各界の著名人を招いたトークイベントを9月から始め、初回は料理愛好家の平野レミさんが話した。

 第3回は11月17日、松江市殿町の島根県民会館で作家の林真理子さんが講演する。 (佐貫公哉)