2011年3月14日、東京電力福島第1原発は悪化の一途をたどった。午前11時1分に3号機原子炉建屋で水素爆発が起き、自衛官4人が負傷した。その後2号機が極度に不安定化し始め、首相官邸では「東電撤退」が現実味をもって論じられるようになる。そんな中、自衛隊はある作戦計画をひそかに練り始めた。

 再臨界阻止

 「14~15日だった。陸上自衛隊のヘリコプターを使ってホウ酸を2号機に...