木村俊昭氏
木村俊昭氏
木村俊昭氏

「地域創生の本質」
 意識的に交流網つくりを

 山陰中央新報社の石見政経懇話会、石西懇話会の定例会が11、12の両日、浜田、益田両市であった。東京農大教授の木村俊昭氏(60)が「地域創生の本質」と題して講演し、地域づくりを実践する上でのヒントを語った。要旨は次の通り。

 地域創生のリーダーは広聴・傾聴・対話がきちんとできることが重要だ。良いリーダーは増幅型、悪いリーダーは消耗型に分けられる。

 増幅型は人の話をよく聞き、思考を決める時は相談し、判断する。失敗した時は原因を共に探し、(課題を)共有、常に挑戦をさせる。消耗型はその反対。これでは、持続的な地域活性化は望めない。

 地域を元気にするためには産業、歴史、文化を徹底的に掘り起こし、磨きを掛ける。無い物ねだりではなくあるもの探しをする。

 未来を担う子どもたちの愛着心を育む人づくりが必要だ。

 人をひきつける魅力が少ないと感じる地域には「五感六育」のまちづくりを提唱する。

 五感は「食べる・観(み)る・体験・聴く・香り」。六育は「知育・木育・食育・遊育・健育・職育」を表す造語だ。それぞれを生かすことに、地域活性化のヒントがある。

 地域創生の実践事例として「大和芋」の産地・奈良県御所市が挙げられる。ここでは生産者の芋作りに対するこだわりが強く、規格外の芋は全て廃棄していた。

 そこで規格外の芋を使った芋焼酎を作ると、癖のないすっきりとした味わいが評価され、店に置いてもらえるようになった。

 アイデアとアイデアをつなぎ合わせる時には、家族や職場など、強い結び付きの中での情報交流だけでは不十分だ。メールでやりとりをした人、名刺交換をした人など、弱い結び付きの人とも交流し、ネットワークを意識的につくらなければ持続できるアイデアは浮かばない。(青山和佳乃)