旧米沢小学校の理科室に構えた焙煎所で、生豆の汚れを洗い流す
旧米沢小学校の理科室に構えた焙煎所で、生豆の汚れを洗い流す
自慢の「奥大山の水洗い珈琲」を入れる遠藤明宏さん
自慢の「奥大山の水洗い珈琲」を入れる遠藤明宏さん
旧米沢小学校の理科室に構えた焙煎所で、生豆の汚れを洗い流す 自慢の「奥大山の水洗い珈琲」を入れる遠藤明宏さん

 国立公園・大山の麓から湧き出る良質の水にほれ込み、早期定年を機に水洗いしたコーヒーの生豆を焙煎(ばいせん)して販売する合同会社を設立した男性がいる。千葉県市川市出身の遠藤明宏さん(64)で、昨秋に江府町美用の旧米沢小学校に焙煎所を設けて起業し、夢をかなえた。「奥大山の水洗い珈琲(コーヒー)」と名付けた自慢の焼き豆は雑味がなく、すっきりした風味はコーヒー好きの間で話題を呼ぶ。 (山根行雄)

 遠藤さんは会社員時代、大手食肉加工会社の大阪本社でフリーズドライ食品の商品企画などを手掛けてきた。仕事の疲れを癒やしたのが、大阪府豊中市の自宅で自家焙煎したコーヒー。焙煎方法の研究に没頭し、ネット検索で偶然目に留まった生豆の水洗い効果にはまった。

 起業を後押ししたのは、大阪大大学院で精神看護学を教える妻が打ち明けた「今春退官を機に両親のいる倉吉市へ戻りたい」の一言。昨年9月、一足先に単身で琴浦町内のアパートに移り住み、3年前からひそかに練っていた水洗い焙煎所開設の適地を調べ、良質な水に恵まれた江府町に白羽の矢を立てた。

 旧理科室に構えた事務兼用の焙煎所では、輸入商社から仕入れた最高級の生豆を選別して水に浸し、表面に付着した汚れを丁寧に洗い流す。水は冷たいほど豆へのダメージが少なく、遠藤さんは「奥大山の水はクリアで、すっきりした味わいにつながる」と話す。

 今年1月からネットショップを中心に売り出し、同町の道の駅「奥大山」でも取り扱っている。180グラムのグアテマラ(オリエンテ農園)2160円、コロンビア(ラスフローレス農園)1944円、ブラジル(ボンジャルディン農園)1944円など。鮮度にもこだわり、商品袋に焙煎日や賞味期限も記す。

 商標登録を申請中の遠藤さんは「もっと販路を広げ、地域づくりに役立つことが目標」と新天地で芽生えた新たな夢を追う。