ボクシング女子の入江聖奈選手を育て、東京五輪で金メダルに導いたシュガーナックルボクシングジムの伊田武志会長(56)が24日、松江市内で独自の指導法を披露し、ボクシングを習う子どもや保護者ら28人が聞き入った。
伊田会長は小学生時代から入江選手を指導し、日本女子史上初の金メダルという快挙をそばで支えた。
講演と指導は島根県ボクシング連盟が主催。松江市母衣町の島根県教育会館であった講演では、入江選手の強さの秘けつに、たゆみない努力があるとした。「入江を含めて多くの人は凡才だ。天才に勝つには、練習する時間を惜しまないことだ」と強調した。
日々のトレーニングについては「目的を持つことが大事」と話した。筋肉や瞬発力など、特定の分野を鍛えることを意識するようアドバイスした。
講演後には、参加者のうち約15人と共に、体育館に移動し、ボクシングの練習をした。
「最初に体中の筋肉の温度を上げると、長時間動きやすくなる」と話し、入念な準備運動をした。
打ち合いの練習では、真剣な表情で拳をぶつけ合う子供に「よけながら反撃しよう」などと盛んに声を掛けた。
ボクシングを始めて2年という出雲市立高松小5年の上野悟季君(10)は「いつもの練習と違って楽しかった。入江選手みたいに強くなりたい」と話した。
(佐貫公哉)