生活困窮者を巡る対応のデータ
生活困窮者を巡る対応のデータ

 生活に困っている人を対象とする自治体の「自立相談支援機関」への2020年度の新規相談が、前年度比3・2倍の約78万6千件(速報値)に上ったことが、厚生労働省の集計で26日までに分かった。新型コロナウイルス感染拡大による雇用情勢悪化が影響した。この事業が始まった15年度以降は毎年度約22万~25万件で推移していたが、一気に増加した。

 生活困窮者に公費で家賃を補助する住居確保給付金の20年度支給額は、前年度比52・8倍の約306億2千万円に上った。

 自立相談支援機関は「生活保護に至る手前の新たなセーフティーネット」の一環として、福祉事務所がある約900自治体が設置する。相談員が困り事を聞き、利用できる制度を紹介したり、支援計画を立てたりする。

 厚労省によると、新規相談件数について感染拡大前の20年1月と、拡大後の今年1月を比べると、20、30代男性で約4倍。20、30代の女性も約3倍だった。

 住居確保給付金は、19年度比で100倍以上に増えた自治体もある。政府は昨年、離職や廃業した人だけでなく、コロナの影響で収入が減った人にも支給対象を広げた。