【米子】米子市無形文化財の和傘「淀江傘」の誕生200年記念イベントが30日、和傘伝承館(米子市淀江町淀江)で始まった。色とりどりの淀江傘200点がライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出す。11月13日まで。
淀江傘は江戸後期の1821年、倉吉から来た職人が淀江で傘屋を開いたのが始まりとされ、最盛期の大正期には年間17万本が生産された。現在は「淀江傘伝承の会」が技術を伝える。
イベントは、淀江傘の魅力を知ってもらおうと伝承の会と淀江傘継承200年実行委員会が企画。館内に直径60~240センチで赤、青、黄色などさまざまな色の傘を並べた。キキョウ模様の鮮やかな糸飾りを施した蛇の目傘は、飾りが見えやすいよう天井からつるした。淀江傘のランプスタンドも目を引く。
地元の淀江小学校1年、三好和奏さん(7)はライトアップされた朱色の傘に目を留め「夕日の色みたいできれい」と話した。
オープニングセレモニーでは、米子白鳳高校(淀江町福岡)の郷土芸能部が手製の淀江傘を使った伝統芸能「淀江さんこ節」を披露し、会場を盛り上げた。
期間中は、因州和紙で作る折り紙の傘作り体験や、淀江傘制作の実演会などを行う。期間中無休。 (岩垣梨花)