【ワシントン共同】米疾病対策センター(CDC)は2日、5~11歳の子どもに対するファイザー製新型コロナウイルスワクチンの接種を推奨すると発表した。米メディアは3日、一部で接種が始まったと報じた。対象は約2800万人。各州へのワクチン配布が既に進んでおり、接種は来週本格化する。
子どもの接種は大規模会場ではなく、小児科医院や薬局、学校などを中心に実施される見通し。米国では9月後半から新規感染者が減少しているが、冬を前に接種を進め、感染の再拡大や集団感染による休校など教育現場の混乱を防ぐ考えだ。
用量は既に対象となっている12歳以上の3分の1で、ファイザーはこの量でも上の年代と同等の抗体ができ、発症を9割抑えられるとした。ただ、若い世代ではまれに心臓の炎症が報告されており、副反応の発生状況を注視する。
感染状況が落ち着く中で、重症化しにくい子どもに広く接種する必要性を疑問視する声もある。これに対しCDCのワレンスキ所長は「子どもの死亡も後遺症も起きている。緊急性はある」と主張。リスクを超える利益があると認定した。