ガムランを演奏する美郷町ガムラン楽団の団員=島根県美郷町粕渕
ガムランを演奏する美郷町ガムラン楽団の団員=島根県美郷町粕渕

 インドネシア・バリ島マス村と交流する島根県美郷町に発足したインドネシアの伝統音楽ガムランの楽団が7日、町内で初公演し、団員26人が独特な音色を響かせた。

 ガムランは青銅製打楽器を中心とした合奏の総称で冠婚葬祭などで演奏される。町は町バリ文化振興アドバイザーの梅田英春静岡文化芸術大教授から寄託されるなどした楽器計2セットを保有する。

ガムランの楽器

 楽団は梅田教授を講師に町内で7月にあった演奏体験を機に9月に有志で結成。団員は町内外の2~91歳の36人で日本最大規模という。毎月2回練習し、この日の町産業祭で演奏した。

 インドネシアの伝統的な布のシャツを着た団員は梅田教授と、祭りに欠かせない行進曲「バラガンジュル」と伝統的な曲「ギラッ」の2曲を披露。鉄琴に似た「ガンサ」や細長い太鼓の「クンダン」、大きなドラの「ゴング」といった独特な楽器を鳴らし、聴衆を異国情緒に浸らせた。

 

 最年長団員の坂東恒夫さん(91)は「若い人の仲間に入れてもらって幸せだ」と笑顔。西原慎治団長(49)は「本番が一番出来が良かった。団員を増やし、町をバリ島文化の発信地にしたい」と話した。

 マス村との交流は、合併前の旧邑智町が1991年に町内にカヌー博物館を開設した際、カヌー製作の職人を招いたことを機に始まった。