俳句
生かされて余生などなし春田鋤く 浜 田 本田 勉
【評】老後に残された人生のことを余生というが、そ の余生など考えないで、生かされた命を一生働き通すと いう覚悟をもって、今日も作者は春田を鋤(す)くのである。
気ままさの暮しに宿る春埃 邑 南 高橋多津子
【評】作者は悠々自適の生活であろう。自分が主として過ごす居間は小まめに掃除はしても、あまり使わない部屋は掃除も時々となり春埃(はるぼこり)が宿る|泰然とした作品。
山越えて響く海鳴り花薺 海 士 田口 耕
石室に残る鑿(のみ)跡春の...