【ジュネーブ共同】米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスの感染者が8日、世界全体で2億5千万人を超えた。1週間当たりの感染者数は8月下旬から急減してきていたが、10月中旬以降は増加に転じている。世界保健機関(WHO)は、感染拡大を放置すれば新たな変異株の出現の可能性も高まるため、警戒が必要だと呼び掛けている。
累計感染者数はちょうど1年前の昨年11月8日に初めて5千万人に上り、79日後には1億人を突破した。その後、5千万人増に要した日数は94日、96日、そして今回の96日とほぼ横ばいで推移してきており、世界全体では感染が収束したというにはほど遠い状況だ。
WHOの10月31日付集計によると、1週間当たりの新規感染者数は302万人で、2週連続で増加。この59%を欧州地域事務局管内(旧ソ連諸国やトルコを含む)が占めており、現在最も感染が拡大している地域となった。特に東欧や英国で、人口比での感染者率の高さが目立つ。
欧州ではワクチン接種の進展に合わせ、社会・経済活動が広く再開。感染拡大防止に重要な3密(密閉、密集、密接)状態の回避がおろそかになってきている側面もあるとみられる。ワクチン接種完了者への追加接種の動きも目立っているが、WHOはワクチンだけに依拠するのではなく、混み合う状況でのマスク着用や、手指消毒の徹底といった基本動作の継続を重ねて訴えている。
1週間当たりの死者数も感染者同様、再び増加傾向にある。累計死者数は今月1日に500万人を超えていた。