10日午前5時40分ごろ、広島市南区大須賀町のJR広島駅西側の飲食店などが密集するエリアで、「大量の煙が出て焦げ臭い」と付近の人から119番があった。広島県警や消防によると、飲食店などが入る約30棟が焼け、88歳女性と64歳男性の親子が喉の痛みを訴えて搬送されたが、いずれも軽傷という。
消防車など24台が出動し、午後3時半に鎮火した。広島南署によると被害は全焼24世帯、部分焼6世帯。出火原因を調べている。
近くの飲食店経営の男性(75)は「ここら辺は長屋が多いから気を付けないと」と話し、スナックを経営する女性(73)は「まだ寝ている時間で、消防車のサイレンで気付いた。以前にも同じような火事があり、またかと思った」と振り返った。経営するビアホールが被害に遭ったという高岡隆一さん(41)は「復旧と再開ができるか不安だ」と漏らした。
現場はJR広島駅の西約250メートルの「エキニシ」と呼ばれる地域。2018年1月にも木造の長屋8棟が燃え、1人が犠牲になる火災があった。