浜田市長選、市議選でのなりすまし投票事件は、船舶内での不在者投票制度に課題があることを浮き彫りにした。

 事件で投票用紙や投票済みの票がどう管理され、どこに隙があったかは捜査中で明らかになっていない。

 香川大法学部の堤英敬教授(政治過程論)は、不在者投票は投票の権利を守るために必要とした上で「本人確認を厳格に行っておらず、管理者なども善意による部分がある。不正な投票は1人1票の公正な選挙を崩すため対策が必要だが、難しい」と指摘。マイナンバーカードの普及やインターネット投票などができるようになれば解消される可能性があるとする。

 浜田市選挙管理委員会の天野孝委員長は「誠に遺憾。不在者投票事務について、適正な執行ができるよう、再度周知する」とのコメントを出した。 (古瀬弘治)