テクノロジーの進歩で「現実」は拡張し、何がリアルで何がそうでないかの境界線はあいまいになった。自分の分身は「距離」を超越し、私たちの日常生活や他人との交流はますます仮想世界に移行している。

 五輪選手が目の前に  3次元映像 

 「シュパーン」。東京五輪バドミントン男子シングルスの1次リーグ。桃田賢斗選手がスマッシュを放つとシャトルは相手コートに突き刺さった。東京・お台場に設置された本物そっくりの「仮設コート」に、桃田選手が目の前で競技しているかのような3次元映像が浮かび上がった。

 NTTは、人工知能(AI)が映像の中から選手一人一人の体の動きを抽出し、リアルタイムで伝送する技術を開発した。実際に競技が行われている会場をカメラで撮影し、選手の体とシャトルだけを切り取って別の場所に伝送。ホログラフィックと呼ばれる投影技術を使って立体的な映像を投影できる。

 新型コロナウイルスの感染拡...