クマが襲ってきた時の防御姿勢を学ぶ児童=益田市桂平町、桂平小学校
クマが襲ってきた時の防御姿勢を学ぶ児童=益田市桂平町、桂平小学校

 クマから身を守る方法を学ぶ研修会がこのほど、益田市桂平の桂平小学校であった。全校児童16人と地元住民11人が、音を出して遭遇を避け、襲いかかってきた時には地面に伏せて身を守る姿勢を学んだ。

 町内でクマの目撃が相次いでいるのを受け、桂平小と地元住民でつくる二条里づくりの会が企画。県西部農林水産振興センター益田事務所で鳥獣被害対策を担当する名生啓晃技師(27)が講師を務めた。

 名生技師は、クマは臆病でおとなしく、人と会うのを嫌うと解説し「人の話し声を聞いただけでも逃げるので、音が鳴るものを持参したり、大声を出したりすることで対策になる」と説いた。クマが襲ってきた場合には荷物を置いてクマの気をそらすなど、クマとの距離や状況に応じた対処方法も指導した。

 児童は、地面に伏せて首や後頭部を守る姿勢を実際に試した。6年生の岡崎信香さん(12)は「今までは目をそらさず後ずさりする方法しか知らなかった。いろいろな対処方法を学ぶことができて良かった」と話した。

 県農林水産総務課鳥獣対策室によると、県内では今年4~9月のツキノワグマ目撃件数は、過去最多だった昨年度の同期と比べ、389件減の482件。10月に益田市久々茂町でランニング中の50代男性がクマに頭をかまれ、けがをする被害が出た。

  (石倉俊直)

●クマ被害を防ぐポイント

 <外出時の注意点>

(1)早朝、夕暮れ時の外出は特に注意し、1人では行動しない。

(2)鈴など継続的に音が出るものを身に着ける。

 <クマを見つけたら>

(1)いったん落ち着き、距離を確認する。背中を見せて走ったり、死んだふりをしたりしてはならない。

(2)距離が近く、こちらに気付いている時は、目をそらさず、ゆっくり後ずさりしながら離れる。

(3)向かってきた時は、荷物があればその場に置き、クマの気をそらす。襲ってきたら、首や後頭部を守れる姿勢を取る(地面に腹ばいに伏せ、手で首をガードする)。