秋田県の伝統的な薫製漬物を参考にした「いぶり香香(こうこう)」作りが23日、浜田市弥栄町三里の作業小屋で始まり、地元農家など7人が太ったダイコンをつるしていぶし、出来栄えに期待した。
前日に収穫したばかりのみずみずしいダイコン400本をつるし、直径30センチ以上あるサクラの丸太数本に着火すると白い煙と、薫製独特の香りが立ちこめた。
作業をした王子幸子さん(73)=浜田市弥栄町木都賀=は「今年はダイコンの出来がいいので、おいしく仕上がりそう」と楽しみな様子だった。
いぶり香香は、数時間おきにサクラの木をくべてダイコンを2、3日間いぶし続けた後、ぬかや唐辛子、熟柿(じゅくし)に2カ月ほど漬けて完成する。「やさか加工グループの会」(12人)が毎年作り、県内外から注文があるという。
いぶすのにリンゴでなくサクラの木を使い、熟柿で漬けて甘味をだすなど、ヒントにした秋田県の「いぶりがっこ」を工夫し、地元素材を活用する。いぶす作業は年末まで計4回ある。
(板垣敏郎)