中国山地を走るJR木次線と芸備線でつながる島根県奥出雲町、広島県庄原市、岡山県新見市による「県境鉄道サミット」が23日、庄原市内であり、存続が危ぶまれる両線の利用を増やすために連携を深めていくことを確認した。
約100人が参加し、沿線住民らが利用促進へ向けた取り組みを報告した。
奥出雲町からは、JR出雲八代駅を拠点に活動する布勢公民館の山田伸二館長(66)が、子どもたちによるトロッコ列車「奥出雲おろち号」の出迎え活動などを発表。「木次線やトロッコ列車は地域の大切な資源であり、活性化に不可欠だ。乗客が通過する駅から、下車して楽しんでくれる駅を目指したい」と力を込めた。
司会者から利用促進で一番大事なことは何かと問われた山田館長は「地域の一人一人が危機感を持ち、自分事としてできることをやること」と答えた。
開催を呼び掛けた庄原市の木山耕三市長は「2市1町が連携を深め、互いの町でイベントを開くなど鉄道で新たな交流を生み出す仕掛けを考えたい」と話した。
その後は3市町の新そばの食べ比べや特産品販売があり、参加者が舌鼓を打ちながら交流を深めた。
(新藤正春)