【益田】日本文化に登場するさまざまな美男、理想の男性像を浮世絵や日本画、漫画で紹介する企画展「美男におわす」が27日、益田市有明町の島根県立石見美術館で開幕する。26日は作品を出展した日本画家木村了子さん(50)=東京都在住=が来館し制作時の思いを語った。
木村さんは2005年から「イケメン」を描き続け、一双の屏風(びょうぶ)絵「男子楽園図屏風」(2011年)を出展。左隻に農業にいそしむ草食男子、右隻に肉食男子をそれぞれ7人描いた作品だ。報道陣向け説明会で「男性をモチーフにした美人画。傍観者として距離感を持ちながら描いている」と説明した。
石見美術館と埼玉県立近代美術館(さいたま市)の共同企画。江戸中期から今年制作の作品まで、前後期で入れ替えを行い計185点を展示。牛若丸(源義経の幼少期)や天草四郎時貞、赤穂浪士など時代のヒーローを描いた躍動的な作品が並ぶ。
担当の左近充直美・石見美術館専門学芸員(49)は「時代の要請に応え、登場した英雄たちの生き方や死に方、彼らが迎えられた時代背景にも思いをはせ、自分なりの『推し』を探してほしい」と話した。
会期は22年1月24日まで。開館時間は午前9時半~午後6時(入場午後5時半まで)。毎週火曜と12月28日~1月2日は休館。入場料は一般千円、大学生600円、小中高生300円。
(中山竜一)