続々と堀川遊覧船に乗り込む修学旅行の中学生=3日、松江市黒田町、ふれあい広場乗船場
続々と堀川遊覧船に乗り込む修学旅行の中学生=3日、松江市黒田町、ふれあい広場乗船場

 新型コロナウイルスの感染者数が激減し、島根県内の観光地が徐々ににぎわいを取り戻している。感染が下火になった10月からは、県外からの修学旅行が相次ぎ、予約で満室となる宿泊施設も出てきた。

 3日午前、松江城下を巡る堀川遊覧船に、修学旅行で訪れた徳島市の中学生150人が次々と乗り込んだ。中学からは、緊急事態宣言が全て解除された9月末に予約が入った。10、11月は修学旅行客が多く、乗船は計96校、5700人に上った。

 全体の乗船客数は、国の観光支援事業「GoToトラベル」の効果があった前年同月比には及ばないものの、10月が1万3千人、11月は1万8千人。運航する松江市観光振興公社の乙部明宏専務理事は「客足は戻りつつある」と実感を込める。

 水族館アクアス(浜田市・江津市)は島根、広島両県の個人客や、島根県東部の修学旅行、遠足で好調。10月は2万8千人、11月は2万7千人が訪れ、いずれもコロナ禍前の2019年や、20年の同月比を上回る盛況ぶりだ。

 津和野温泉宿わた屋(津和野町後田)の三家本康倫営業課長は「本来オフシーズンの12月も予約が入っている。緊急事態宣言が明けてすぐに年末の予約は満室になった」と、回復ぶりに安堵(あんど)する。県外客が7割を占め、曜日を問わず満室状態が続いており「心情的に、やっと来られたという人が多い」と話した。

 一方、新たな変異ウイルスのオミクロン株の影響などでGoToトラベルの再開時期が不透明なことから、長期的な予約が入りづらい傾向もある。

 旅亭山の井(松江市玉湯町玉造)は11月、コロナ禍前の8割に客足が戻り、12月の予約状況も順調だが、来年1月以降は厳しい。足立隆支配人はGoToトラベルの概要が分からず、予約をためらう人がいると見ており「方針を早めに示してほしい」と注文する。

 島根県によると、島根、鳥取両県民が山陰のホテルや旅館を利用する際に割引を受けられる「WeLove山陰キャンペーン」を利用し、島根県内には10月に3万6千人が宿泊した。

  (曽田元気)